脳科学

これが目標達成を妨げる原因。ダブルバインド(二重拘束)とは?

ダブルバインド

「ダイエットしたいけど食べ物の誘惑に抵抗するのは大変だ。」
「将来のために勉強をしたいのに今はコメディー番組を見ていたい。」
「楽して稼ぎたいけど、稼ぐのはそう簡単ではないだろう。」

そうやって心の中で葛藤していくうちに何も手につかずについいつもと同じ行動を繰り返してしまう。

誰しもが一度はそのような経験があるでしょう。
このような原因は心理的にダブルバインド(二重拘束)が働いているせいかもしれません。

ダブルバインドとは?

ダブルバインド(二重拘束)とはグレゴリー・ベイトソンが1956年に発表した「人は矛盾した二つの命令を同時に出されると混乱して動けなくなる」という説です。

例えば子どもに「好きなようにしてていいよ。」と言った直後に「宿題はやったの?(勉強をしなさい)」とメッセージを送るとその矛盾した内容から子どもは混乱しどのように行動をしたらよいか分からなくなってしまうのです。

ここから人間不信に陥ったり、精神的に病んでしまうようなケースもあるんです。

心の中のダブルバインド

ベイトソンの説ではあくまでも他者からの指示、命令を念頭に置いてますが、人の心の中でも同じようなことが起こっているのです。

「痩せてスリムな体を手に入れたい自分」と矛盾した「今目の前のケーキを食べたい自分」

「将来のために勉強をしたい自分」と矛盾した「今コメディー番組をみたい自分」

「楽して稼ぎたい自分」と矛盾した「稼ぐのは難しいと考えている自分」

この対立が人を混乱させ目標の達成から遠ざけてしまうのです。

脳の中は多数決で決まる。

現在の脳科学の中では脳内は民主主義になっていて、その中の多数決で多数派の意見が【現実の行動として反映される】と考えられています。

ダイエットしたいのにケーキを食べてしまうのであれば脳内の多数決で「目の前のケーキを食べたい党」が多数派だったということで、勉強したいのにコメディー番組を見てしまうのであれば多数決で「コメディー番組を見る党」が勝ったということです。

そしてこの多数決ですが脳の中で【いつも使われている方】が多数派になります。つまり普段の行動が選ばれるということですね。

脳はより生存に有利な方を選択していきます。

前にケーキを食べて痛い目にあっていなければ「ケーキを食べる」をまた選択するし、前にコメディー番組を見て危険がなかったのであれば今回も「コメディー番組を見る」方を選択してしまうのです。

そうした一つひとつの選択から習慣かされた思考や行動が【いつも使われている方】として多数派になってしまうんです。

目指すべき姿を多数派にしよう。

では、どうすれば良いのでしょうか?答えは簡単です。

自分がなりたい姿の方を脳内の多数派にしてしまえばいいんです。

自分のなりたい思考、自分のやりたい行動を【いつも使う方】に変えてしまって脳の多数派の意見にしてしまえば自然となりたい思考、やりたい行動を選択できるようになっていくんです。

具体的には以下の5つのようなことを意識してやってみましょう。

1:目標達成に有益な情報を多く得る。

ダイエットならばダイエットに成功する方法やダイエットに成功したメリットの情報を、勉強ならばよい勉強法や勉強することのメリットの情報を積極的にとっていくと良いです。こうすることで脳内の目標達成したい派の活動を強くしていきます。

2:自分が目標達成した姿をイメージする。

こちらも1番目と同じように自分が目標達成した姿(スリムな体になった姿、試験に合格した姿)をイメージすることによって目標達成派の脳回路に刺激を与えていきます。

3:目標達成したい理由をノートに書く。

人の脳は外に刺激を出す(アウトプットする)ことをより重要だと受け止めます。頭で考えるだけでなく書くことで目標の重要性の脳にインプットするのです。また書くだけでなく、人に話すことも非常に効果的です。

4:少しでもやってみる。

いきなり激しい運動や過度な食事制限をする。長時間の勉強をするとなると脳はその変化についていけません。まずは「この一口だけでもやめておこう」「参考書を開くだけしてみよう」と軽いところから挑戦していくと習慣化しやすいです。

5:目標達成に不要な情報からは距離をおく。

これは今の多数派の刺激をあまりしないようにする戦略です。そもそもケーキなどの食欲を刺激するものを見ない。まずはスマホを手に持たないなど目標を妨げる情報を得ないことで従来の多数派の刺激を減らしていきます。

このようにして徐々に目標達成する方を多数派の意見に、目標を妨げる要因を少数派にしていくことで実際の行動へと結びついていくのです。

やってはいけないこと

ここでやってはいけないのは【現在の多数派の意見を頭ごなしに否定することです。】

「絶対に食べてはいけない!よくないことだ!」「コメディー番組を見たいなんて堕落している!」と現在の多数派を否定することは意見を沈めることの逆効果となります。

否定すればするほどそちらの声が大きくなってしまうんです。現実の人間関係でも相手の意見を否定すればするほど口論になってしまうのと同じなんですよね。

だから、そちらの意見を頭ごなしに否定したり無視するのではなく、達成したい理由をノートに書くとともに「食べたい理由」「コメディー番組を見たい理由」でも「今は食べない理由」「今は見ない理由」なども書くことで脳内の意見を整理していくのです。

脳が対立しないようにしよう。

このような脳内の対立は具体的な部位では感情などを司る大脳辺縁系と思考や理性などを司る大脳新皮質の活動であることが多いです。

  • 「食べたい!」という感情と「痩せなければ」という理性の対立。
  • 「楽しみたい!」という感情と「勉強しなければ」という理性の対立。
  • 「楽したい!」という感情と「楽してはダメだ」という理想の対立。

それらの争いを脳の中で繰り広げているのです。全ては脳の中の神経細胞の活動なんです。

その活動が対立していると人は脳の中で葛藤して戦い苦しむのです。

ではどうのようにすれば良いのでしょうか?

これも実際の人と人とのコミュニケーションと同じです。

話し合いをすればよいのです。

双方の意見を否定せずに頭の中でしっかりと話し合いをして、理解し合うことでこの脳内の対立が無くなっていくんです。

大丈夫です。どちらの意見も全て【あなた自身を守るため】の意見なのです。

恐れずにと自分の中の意見と向き合っていきましょう!