脳科学

海馬を鍛える。記憶力を高くする5つの習慣

記憶力を高くする

もっと記憶力が良かったら…

「もっと記憶力が良かったら勉強もできて、試験にも簡単に合格出来るようになるのに。」
「なんでもすぐに覚えられたら、仕事がもっとできるようになって出世が早くなるのに。」

人なら誰しも一度はそのように考えたことがあるでしょう。
特に学生時代の試験前や資格試験の前などはしっかり記憶できるかどうかは死活問題です。

それでは実際にそんな「記憶力を良くしたい!」という願いを叶えるような夢のような記憶力を高めたり、鍛えたりする方法はあるのでしょうか?

ここでは記憶力を良くする為の5つの習慣をご紹介します。

そもそも人はどうやって記憶するの?

記憶は脳の中の大脳辺縁系と呼ばれるところの一部である【海馬】という部位で作られます。タツノオトシゴ(シーホース)に形が似ていることが海馬という名前の由来だとされています。

目で見たり、耳で聞いたり、肌で感じたりといった人が五感で感じた情報が脳の側頭葉から海馬に送り込まれて記憶が作られていくのです。

ただし海馬はあくまでも記憶を作り一時保管する場所です。
その一時的に保管している記憶の中で海馬が「この記憶は重要だ!」判断した記憶がまた側頭葉へと送り届けられて大脳新皮質へと定着して長期間に渡る記憶へと変換されていきます。

このように五感からの知覚→海馬で記憶を生成→大脳新皮質に定着すると長期的に覚えていられるいわば「記憶」になるのです。

記憶力を高めるためには、記憶を作り出す【海馬】を健康な状態に保ち、鍛えることこそが重要な要素になっているんです。

海馬は鍛えられるのか?

“脳細胞は成人になるまでに増えていき、そこをピークに減っていく。”そのような認識から「歳を取ったら記憶力が下がってしまうんじゃないか?」と疑念を抱いてしまうかもしれません。

しかし海馬は鍛えられ成長する脳部位なのです。

イギリスの認知神経学者マグワイアはロンドンのタクシー運転手の脳をMRIを使って調べたところある発見をしました。

ベテランの運転手であるほど海馬が大きくなる傾向があったのです。

タクシーの運転手といえば複雑な道を様々なルートで記憶していなければいけません。ベテランの運転手はその道を覚えることによって海馬が鍛えられ発達していったのです。

ベテランになる程海馬が成長しているとうことは加齢に関係なく海馬は成長するということです。

大人になっても記憶力は鍛えることが出来るのです。

記憶力を強くする5つの習慣

それでは実際にどんなことをすると海馬に良いのか?海馬を鍛えることができるのか?
記憶力を強くする5つの習慣をご紹介します。

ストレスを解消する。

ストレスは記憶力に対する天敵なのです。

人は不安や恐怖を感じると脳にある感情を司る部位の扁桃体が活性化します。扁桃体は海馬のすぐ横にあり、記憶と感情を連結するように常にやり取りを行っています。

恐怖や不安の刺激で扁桃体が活性化するとコルチゾールというストレスホルモンが発生します。このコルチゾールに海馬は非常に弱く、長期的にコルチゾールの影響を受けてしまうと海馬が萎縮していってしまうのです。

海馬は記憶を作り出す脳部位ですから、海馬が小さくなってしまうと記憶力も下がっていってしまいます。

だからこそストレスは記憶力の天敵になるのです。

なので「カラオケに行く」「買い物をする」「スポーツをする」などの自分なりの発散方法でストレスの発散を定期的に行い海馬を健康的な状態にしておきましょう。

有酸素運動をする。

有酸素運動を行うと脳が活性化し記憶力が高まります。
またホルモンバランスが整うのでストレス対策としてもとても有効なのです。

アメリカ シカゴの高校ではゼロ時間目として授業前に有酸素運動を取り入れたところ運動をしなかった生徒の成績が10.7%しか向上しなかったところ、運動をした生徒の成績は17%も伸びたのです。

またマウスを使った実験でも、よく運動をさせたマウスは運動をしないマウスに比べて海馬が大きくなったという研究の結果もあります。

なので海馬を鍛えるには運動、特に有酸素運動が効果的なのです。

運動は脳を活性化させ海馬が鍛えられるだけなく、体の健康にもとても良い習慣です。
1日30分〜40分のウォーキングやランニングなどを目標に有酸素運動を取り入れていきましょう。

しっかり睡眠をとる。

記憶は寝ている間に定着していきます。
寝ている間に起きている間に起きたことを夢の中で再生して記憶をしていくのです。

アメリカの精神医学者スティックゴールドは「何か新しい知識や技術を身につけるには覚えた日に6時間以上の睡眠が欠かせない」と発表しています。

睡眠不足はストレスの元ともなります。
そしてストレスは記憶力の低下させます。

睡眠不足からはストレス→記憶力低下の悪循環になってしまいがちです。

記憶力の強化のためにも1日6時間以上を目安に自分にあった睡眠をしっかりとしていきましょう。

アウトプットをする。

海馬は“記憶を作り、一時的に保管をする場所”です。
この保管している間に「重要な記憶だ!」と判断されたものだけが大脳新皮質へと送り込まれて長期的な記憶として脳にしっかりと定着をするのです。

キーワードは脳に「重要だ!」と思わせることです。

勉強したりして覚えたことを脳に「重要だ!」と認識させるためにはただ読んだり、聞いたりして覚えようとするだけでは効果が薄いです。

紙に書いたり、人に話したりとアウトプットをする。
実際に何度も生活で使ったりする。

そうやって脳に「これは何度も使うから必要な記憶だな!」と理解させるのです。

テストなどで何度もアウトプットを求められたり、日常生活で頻度高く使うことで脳は「この記憶は大切だから覚えておこう」とちゃんと覚えていてくれます。逆に一度だけの丸暗記で覚えた知識などは「もう使わないな。」と忘れていってしまうんです。

ただ読んで覚えようとするだけでなく、実際に「どこで使うか?」「いつ利用するか?」など使うことも意識しながら学習していくと良いでしょう。

ストーリーで記憶する。

大人の脳は子どもの頃の九九の覚え方のような丸暗記の覚え方は苦手です。

ただ暗記するのでは無く「これはどうしてこうなったんだろう?」「これをやった理由はなんだろう?」とストーリーで記憶していった方が大人は覚えやすいのです。

また丸暗記するのではなく物語仕立てにして前後の文脈から覚えようとすると覚えようとする内容自体に興味が持てるようになります。

この興味を持つというのが記憶に非常に重要な影響を与えるのです。

何かに興味を持って探究心を抱いたり、好奇心を持ったりすると脳はθ波(シータ波)を出します。このθ波が出ている時は海馬を含めた脳全体の活動が高まって記憶しやすくなる状態なのです。

ただ単語などを丸暗記するのではなく、前後に文脈から覚えるなど、覚えることを興味深いストーリーにするとで大人の脳は記憶をしやすくなるのです。

まず興味が持てることから。

この5つを習慣化して取り入れることで海馬が健康的な状態になり鍛えられて記憶力が高まっていきます。

そして記憶力を高めるにはθ波(シータ波)が出ている状態。つまり“興味を持っていること”で効果がより高くなります。

まずは今回ご紹介した5つの習慣の中から一つでも「これなら出来そうだ。」「これはやってみたい。」と興味や好奇心を感じることから取り入れてみましょう。

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ちなみに僕は脳の活性化に有酸素運動が良いと知ってから毎日30分のランキングをするようにしています。ランニングをすると脳がすっきりするだけでなくその後の活動にも意欲が高まるように感じています。